「メトロポリタン美術館(ミュージアム)」のみんなのうたが怖い、三大トラウマソングだという話があります。
●「メトロポリタン美術館」の歌詞と恐怖ポイント5つ
●童話「クローディアの秘密」が歌のモチーフになっている?
●「メトロポリタン美術館」の歌詞の意味を考察
「メトロポリタン美術館」の歌詞と怖い内容
「メトロポリタン美術館」というみんなのうたですが、作詞作曲は大貫妙子さんです。
1984年の4月~5月に、NHKのみんなのうたで放送されました。
まずは、「メトロポリタン美術館」の当時の歌の動画を紹介しますね。
それでは、歌詞の紹介と共に1番から怖い理由を考察してみましょう。
「メトロポリタン美術館」の1番の歌詞と怖い内容
1番の歌詞はこのような内容となっております。
大理石の 台の上で
天使の像 ささやいた
夜になると ここは冷える
君の服を 貸してくれる?タイムトラベルは楽し
メトロポリタン ミュージアム
赤い靴下で よければ
かたっぽあげる引用:Uta-Net
恐怖ポイント①夜の美術館でささやく天使の像
夜の静まり返った真っ暗な美術館。
冷たい大理石の上に飾られた天使の像が「ここは冷える」とささやくのは、子どもにとっては怖いシュチエーションですね。
しかも、映像では天使の像が無表情で不自然に動きます。
バイオリンの弓を武器のように振り上げるようにも見えてしまいます。
そして、もっと怖いのは美術館に一人取り残された子どもです。
なぜ夜の閉館した美術館にいるのか、謎は深まります。
恐怖ポイント②君の服を貸してくれる?と聞かれる
天使の像が飛び降りてきて目の前に立ち、「君の服を貸してくれる?」と聞いてくるのはとても怖いですね。
子どもだって、夜の美術館にいると寒くて怖いのに、さらに服を奪われてしまう、そんな恐怖感があります。
恐怖ポイント③天使と踊り、赤い靴下をかたっぽあげる
「タイムトラベルは楽し」とは、美術館の中の展示物を見てタイムトラベルをしたように感じるという意味だとは思いますが、突然動き出した天使の像を怖がっていた子どもが、突然天使の像と共に踊り始めるのは天使の像に洗脳されたように見えてしまい、恐怖心を覚えます。
また、子どもが最後に「赤い靴下でよければ、かたっぽあげる」と言いますが、このくだりはアンデルセンの童話「赤い靴」を思い出します。
参考までに童話「赤い靴」のあらすじを紹介します。
【「赤い靴」のあらすじ】
カーレンという貧しい少女はいつも裸足で過ごしていました。
ある日足を怪我してしまったところ、靴屋の女性に助けてもらい赤い靴を作ってもらいました。
母親を病気でなくしてしまった時、ボロボロの赤い靴を履いて葬儀に参列していたところ、カーレンに同情したとある老夫婦が養女にしてくれました。
その後、カーレンは美しい女性に成長します。
ある日、カーレンは靴屋で素敵な赤い靴を見つけ、その美しさの虜となります。
赤い靴の虜となってしまったカーレンは、病気になった養父母の看病もせず遊び歩くようになりました。
そして赤い靴の呪いにかかってしまったカーレンの足は、赤い靴を脱ぐ事ができなくなり、勝手に踊り続けるようになります。
旅立ってしまった養父母のお葬式に出る事もできず、朝から晩まで踊り続けました。
困ったカーレンは足を切断してもらいました。
切断した足は踊りながらどこかへ行ってしまいました。
その後カーレンは義足をつけて教会で慈善活動をし、養父母への懺悔の祈りを捧げて過ごしました。
ある日、祈りを捧げていると目の前に天使が現れ、罪を赦されたカーレンは天へと導かれるのでした。
「メトロポリタン美術館」の2番の歌詞と怖い内容
2番の歌詞とCメロからラストはこのような内容となっております。
エジプトでは ファラオ眠る
石の布団に くるまって
呼んでみても 五千年の
夢を今も 見続けてるタイムトラベルは楽し
メトロポリタン ミュージアム
目覚まし時計 ここに
かけておくからヴァイオリンのケース
トランペットのケース
トランク代わりにして
出発だ!タイムトラベルは楽し
メトロポリタン ミュージアム
大好きな絵の中に
閉じ込められた引用:Uta-Net
恐怖ポイント④ファラオを起こそうとする
静まりかえった夜の美術館で見る古代エジプトの王ファラオ。
それだけでも怖いですが、目覚まし時計をかけて起こそうとするという事が、ミイラを蘇らせるようで怖いですよね。
また、ファラオは神界と地上を結ぶ仲介者で、神ではないですが、神と同等の存在と見なされていた存在です。
エジプト王家の墳墓を発掘する者には呪いがかかるという都市伝説があり、実際に発掘作業の直後次々となくなってしまった方もいるそうで、「ファラオの呪い」と呼ばれています。
恐怖ポイント⑤大好きな絵の中に閉じ込められる
歌のラスト、「大好きな絵の中に、閉じ込められた」という歌詞があります。
映像でも、子どもは絵の中に入ってしまいます。
これは見た目通り、もう美術館から出られない、そんな意味を感じてしまいます。
みんなのうた「メトロポリタン美術館」は童話「クローディアの秘密」がモチーフ?
みんなのうたの「メトロポリタン美術館」は、とある小説がモチーフになっているという説があります。
それは、カニグズバーグ作の「クローディアの秘密」という児童向け小説です。
「クローディアの秘密」は、クローディアという女の子が同じ毎日にうんざりして、弟を連れてメトロポリタン美術館に家出をするというお話です。
メトロポリタン美術館で寝泊まりをします。
そして、心惹かれた天使の像の秘密を探り、証拠をつかんだクローディアたちは満足して家に帰るというあらすじです。
\大人も子どもも楽しめる小説/
しかし、みんなのうた「メトロポリタン美術館」では弟の存在が確認できません。
小説「クローディアの秘密」が少なからずモチーフとなっているかもしれませんが、そのままの世界観ではないように感じます。
みんなのうた「メトロポリタン美術館」の歌詞の意味を考察
さいごに、「メトロポリタン美術館」の歌の意味の考察を紹介させていただきます。
これは私の勝手な考察ですので、全く見当違いかもしれません。
メトロポリタン美術館にいる女の子、それはあの世へ行けない(成仏できない)子どもなのではないでしょうか。
メトロポリタン美術館で天使の像と踊り、赤い靴下をかたっぽあげる事で懺悔をしている可能性があります。
そして、ファラオの存在は、子どもと同じような成仏できない境遇であり、無邪気に起こそうとしているのではないでしょうか。
歌の最後で絵の中に入ってしまったのは、メトロポリタン美術館に定住する事を決めたかのようにも感じられますね。
「メトロポリタン美術館(ミュージアム)」みんなのうたが怖い理由:まとめ
こちらの記事では、みんなのうた「メトロポリタン美術館(ミュージアム)」について、怖い理由を紹介しました。
子どもが聴いたらやはり怖い印象を持ってしまう歌なのではないかと改めて感じました。
三大トラウマソングと言われてしまうのも納得です。
ただ、怖い印象を受けるというのは私なりの考えであり、一度聴いたら忘れられない不思議で素敵な歌である事も確かです。
みんなのうた「メトロポリタン美術館(ミュージアム)」は、色々と考えさせられる芸術的な歌ですね。