統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の元会長の息子である、元幹部の櫻井正上(まさうえ)氏(48)が、統一教会を実名告発しました。
その告発文は2万字にも及び、週刊文春の電子版で全文が公表されました。
全文を読んでみましたので、その内容をかいつまんで説明したいと思います。
●統一教会元会長の息子の告発手記全文の内容を紹介
●統一教会元会長の息子・櫻井正上氏とは
統一教会元会長の息子の【告発手記全文の内容(文春)】
画像引用:週刊文春電子版
櫻井正上氏の告発手記の全文は、まずは元安倍総理の事件について残念に思う気持ちを述べることから始まります。
全文を紹介すると非常に長くなってしまうので、告発手記に書かれている内容を箇条書きで説明していきますね。
告発手記全文の内容:冒頭
- 安倍総理の事件について大変残念に思っている
- 事件の原因は統一教会信者の家庭の困窮と破綻にあった
- これまでのメディア報道では事実と食い違う部分もあった
- 統一教会の日本信者の家庭が尋常ではない困難を経験してきたことは事実
- 統一教会は信教の自由を訴える前にまず謝罪すべきだった
- 統一教会が根本的な改善に尽力していないことが非常に残念
- 今回のような悲劇が二度と起こらないように統一教会の課題について投稿する
告発手記全文の内容:二世たちの痛み
- 統一教会の活動を支えるべく信者は献金をしてきた
- 家系の開運が動機で献金するケースもあった
- 献金の犠牲になってきたのは二世(信者の子供)だった
- 自分自身も二世として育ってきた
- 教会内では人一倍二世の悩みや苦悩を聞いてきた
- 親が献金するため、大学進学を諦めた二世も多くいた
- 親の借金を肩代わりするケースもあった
- 親に強い憎悪を抱く二世も少なくなかった
- 親を憎んでいたけど年頃になって、統一教会と共に生きようと決意する者もいる
- 今統一教会で活躍する二世のメンバーは「NO」という意志は持っている
- 二世としては教会や人生に「恨み」ではなく「誇り」を持って生きたい
告発手記全文の内容:目的は手段を正当化できるか?
- 統一教会は宗教という枠を超えた高尚なビジョンを持っていた
- 入信者の半分は個人的な開運や救いが動機
- もう半分の入信者は教育環境や世界平和の構築の構築が動機
- 高尚な目的があっても手段が社会的モラルの反するものだった
- 本部は全国の現場教会に「ノルマ」を課していた
- 献金しなければいけないという過度なプレッシャーがあった
- 2009年以降も内部信者に向けられた献金圧迫は続いていた
- 教会内ではほぼ献金の話しか聞けなかった
告発手記全文の内容:問題が解決し得ない構造
- 本部には様々な部局がある
- 教育、伝道、法務、広報、そして献金を担当する部局など
- 献金に直接関わるのは担当部局と法務局など
- 統一教会では、献金問題は信徒の家庭問題であるという考え方
- 献金問題は誰も責任をとらないし、とることもできない構造
- 日本から莫大な献金が世界(韓国)に送られているはず
- 韓国加平の地に次々と建造物が建立された
- 日本教会は教団トップ(韓国)から下りてくる指示には応じる他なかった
- 「上層部」にメスが入らない限り、日本教会は無理を重ね続けるだろう
告発手記全文の内容:変質してしまった教団
- 問題は集金方法だけではない
- 何のために用いられる献金かという大義名分が分からなくなった
- 元々、故・文鮮明(ムンソンミョン)は国と世界のための平和運動をしていた
- 安倍晋三元首相やトランプ元大統領などが平和運動を評価し、賛意を示した
- 信徒たちも世界の平和構築のため私財を捧げてきた
- しかし、統一教会本部はある段階から方向性を見失い始めた
- 教祖を絶対的存在として信奉するようになった
- 極めて宗教色の強い「教団」と化した
- 教団内の豪華な建造物に華々しい大会が目立つようになった
- 韓鶴子(ハンハクジャ)総裁権威を高める事が上層部の目的となった
- 安倍元首相のビデオメッセージも愛国の志と平和を願う思いであったと思う
- 教団はビデオメッセージを安倍元首相が現教団を支持しているかのように宣伝した
告発手記全文の内容:家庭連合の名称変更と本来の方向性
- 「統一教会」から「家庭連合」への名称変更は「体制転換」を意味していた
- 教会トップではなく「各家庭」が主体となって理想家庭作りを進める大きな転換を意味していた
- 中央集権型の組織体制はここで終幕を迎えるべきだった
- しかし、「実体」を変えることのないまま、名称だけの変更となってしまった
- 文総裁の三男、文顯進(ムンヒョンジン)氏は本気で教会を改革しようとしたが排斥されてきた
- 文顯進氏は「文総裁への反駁」と仕立て上げられ内部迫害された
- 文顯進氏は家庭連合を追われた後も、平和運動を進めている
文総裁の三男は方向性がねじまがってしまった教会を改革しようと声を上げたんですね。
告発手記全文の内容:誇りある統一運動の回復を願って
- 私は顯進氏への排斥行為に異議を唱えたことにより解任された
- 現教団に対する怨恨などはない
- けれど家庭連合の改革ができず残念でならない思いはある
- 現教団について冷静に見つめるなら、内部からの構造改革は難しい
- 今回の事件が、「変化」の切っ掛けとなることを強く願う
- 本当に世界平和を願って活動していた信者の想いも毀損されていくことが心痛い
- 心ある方々の愛国の志や平和を愛する思いもあることを知ってほしい
- もう二度と今回のような痛ましい悲劇が繰り返されないことを祈る
統一教会元会長の息子・櫻井正上氏とは
櫻井正上(まさうえ)氏の父親は日本教会第5代会長の櫻井設雄氏(故人)で、母親は原理講師の節子氏です。
統一教会の初期から活動した大幹部夫妻の長男だそうです。
櫻井正上氏自身も1998年から約20年間、統一教会の日本の中枢本部(渋谷区)に所属されていて、信者の家庭や二世教育に関わる要職の家庭教育局副局長をされていました。
教会の中ではエリートといわれていたそうです。
告発文にも書かれていたように、2017年に教団の方針に異議を唱えたところ組織に対する反逆と見なされ教団を去ることとなったそうです。
そうした経緯もあり、今回の元安倍総理の事件に心を痛めて告発文を投稿されたとのことです。
統一教会【告発手記全文の内容(文春)】と元会長の息子・櫻井正上氏について:まとめ
こちらの記事では、統一教会元会長の息子(櫻井正上氏)の告発文の全文を箇条書きで説明しました。また櫻井正上氏とはどのような人物なのかも紹介させていただきました。
今回の櫻井正上氏の告発文を読む限りでは、純粋に世界平和を願う者と、教会や総裁の権威を高めようとする者で2分化されているように感じました。
元安倍総理がどちらの気持ちで統一教会と接していたのか、どれほどのメリットがあったのかははかり知れません。
お付き合いする交友関係はだれしも自分が選んで決める権利はあります。
それが一国家の首相ともなれば、慎重に判断する材料はあったのではないかと疑問も残りますね。
地位や権力は時として、自らを陥れることになる、そんな教団の実態が垣間見れた気がします。
今後統一教会がどのようになるのか、また純粋な信者の心のケアも課題となりそうです。
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